アクションポート横浜で2年間、学生スタッフとして活動を引っ張ってきてくれた佐川さん、生田目さんがこの3月に大学を卒業します。2人にはアクションポートで活動した2年間を振り返って思いをまとめてもらいました。
佐川遥
佐川 遥 (はるちゃん、おはる)
・明治学院大学 社会学部 社会福祉学科
・学生スタッフ(2012年度〜)
みなさまこんにちは!学生スタッフの佐川です。この度は大切なご報告があります。
私は、3月で大学を卒業して、春から社会人なります。それに伴い、“学生スタッフ”としての活動も卒業します!これまで世話になった方々へ、活動の振り返りと今後の抱負を書かせて頂きます。
アクションポートに関わったきっかけ
クリーン大作戦2010アクションポートとの出会いは、大学1年生の夏でした。最初に関わった活動は、「みなとみらいクリーン大作戦!」で、花火大会でごみの分別を呼びかけたり、翌日、会場一面に捨てられたごみを拾ったりする活動をしました。この活動の醍醐味は、なんといっても力いっぱい声を出したり、歩き回ったりしながら、みんなで必死に取り組めるところでした。準備期間は、周辺のコンビニに啓発のポスターを貼ってもらうように歩き回って声をかけてみて、断られて落ち込んだり、承諾してもらって喜んだり、このやり方でいいのか考え直したりしました。当日は、ゴミ箱の前で立ち続けて分別をしてもらったり、歩き回って呼びかけをしたりしました。一見、簡単な事のように思えますが、なかなか分かってもらえなかったり、押しつけているようになってしまったり、自分が良いと思っていることが良いと思われるとは限らないという事を思い知らされる体験でした。実際、これだけ呼びかけをしてまわっても、当日の結果に大きな変化は感じられず、悔しい気持ちもありました。
- でも、1年生の私が提案したことを一緒になってやってみてくれたり、大事な役割を任せてもらえたりしたことを振り返ると、「あんなにお互いに大変だったのにそこまで考えてくれたのか。」という感動がありました。一緒に必死になったことで、余計に気持ちがよく伝わって、心に残る活動になりました。
- この活動がきっかけで、アクションポートに関わる人に魅力を感じるようになりました。
活動を続ける中で感じたこと
横浜サンタプロジェクトクリーン大作戦の活動が一区切りついた後も、学内の活動で悩んだことを話したりする付き合いが続き、大学3年生の春ごろから、学生スタッフとして、継続的な関わり方をするようになりました。
- 学生スタッフになって、最初に一番困ったのは、週に2回行くけれど、何をしたら良いかわからないという事でした。クリーン大作戦の時は、すでに先輩がいて、これまでやってきたものがあってからの活動だったので、ちょっと工夫を加えたり、原点に立ち返るところができたのですが、学生スタッフになって立った位置は、“ゼロからつくる位置”だったからです。だからとにかく最初は、「いいな!」と思ったことを集めてみたり、感じたことやわからなかったところを伝えて、話し合いに入れるようになることや、できることをやって、少しでも役に立つように動いてみることをやってみました。その時期は「何もできなくて申し訳ない、でもなんで責められないんだろう?」という疑問がありました。
- それは、活動を続けていく中でわかってきました。活動は、「これはどうにかしたい!」という気持ちが生まれなければ、生まれないものであり、どうにかしたいと思っても形にするのには時間がかかるものでした。人を巻き込んだりして形にしていくのには、時間と地道な努力が必要で、1個の活動だけがすべてではなく、粘り強く続けることで、全てがつながっていきます。だから、最初の私がしていたことは、止まっているようで進んでいて、後々の活動につながっていきました。
- 特に、サンタプロジェクトは、4年間を通して関わった活動で、その変化は4年目でよく見えました。1年生の時、少しだけ関わったことがあった同学年の子が、4年目の今も一緒にサンタの格好をして活動をしていたり、最初はぎこちなく挨拶していた実行委員会のメンバーの人も、“近所のちょっと年上の先輩”くらいの感じで関わっていたり。終わった後は、なぜかははっきり言えないけれど、勝手に涙が出ました。
卒業間近になって
2012年度インターン報告会アクションポートでの活動は、私が4年間活動し続けることができた原動力であったと思います。色々な活動をやっていく中で、何回も悩む場面がありました。そういう場面で、進む先のヒントをつかんだのは、アクションポートの活動で出会う人達に関わっている時でした。あきらめるのではなく、どうすれば良いかを考える姿勢はずいぶんと学びになりました。受け入れてもらって、育ててもらって、横浜は出身地でも住んでいるところでもないけれど、私のもう一つの故郷になったと思います。就職先は、障害がある人の就労支援や、障害がある子どもの教育を行う企業です。働く場所ができ、これからの関わり方は変化しますが、今後も関わっていきます。これからも変わらず“はるちゃん、おはる”として活動していきたいと思っていますので、よろしくお願いします!
◆アクションポートで印象的だった瞬間BEST3
1 一緒に活動したインターン生の胴上げ
2 NPOを訪ねた時にみんなでかぶったかぶり物
3 学生もベテランも混ざり合ってワークをする総会
生田目彩花
生田目 彩花 (なまちゃん、おなま)
・フェリス女学院大学 文学部コミュニケーション学科
・学生スタッフ(2011年度〜)
「たまたまがきっかけに」
インターンシップ修了式2年生の春、大学でNPOインターンシップ参加者募集のポスターを見かけました。何かしたいという強い想いがあったわけでもなく、ふらっと立ち寄り、やってみたいと思ったことが最初の一歩でした。説明会の後、学生がインターン先を選ぶ、NPOインターンシップのお見合い会に参加しました。そのときに様々なNPOの方のプレゼンテーションを見て、圧倒されたことを覚えています。活動はもちろんのこと、今まで出会ったことのないような強い想いを持って取り組むNPOの方の魅力に触れ、その人たちの側で、何か学びたい!一緒に活動をしてみたい!と思いました。
「アクションポートとの出会い」
- インターン先に選んだのは別のNPOでしたが、アクションポートの学生スタッフとしても活動を始めました。初めて事務局長の高城さんとボランティアについての話をしたときに、活動に対する姿勢や考え方に衝撃を受けました。そこから始まり、アクションポートでは大学の中だけでは出会えない人たちと出会い、毎日が驚きや発見ばかりで、どんどん活動にはまっていきました。
「市民活動のきっかけを取材」
- 私が学生スタッフとして初めて行った仕事は、横浜で活躍している12人の市民活動のきっかけを取材し、記事にまとめるというもの。年齢も様々、活動の分野も多岐にわたるものでしたが、そこで気付いたことがありました。人との出会いが活動のきっかけとなったり、授業が活動のきっかけとなったり、私のようにふらっと立ち寄った説明会がきっかけになる人もいる。活動の入口はいろいろあるということを知りました。多くの人に活動に参加してもらうためにはそのような一歩を作ることが大切だと感じ、私はまだ活動していない人たちのきっかけ作りにも携わりたいと思いました。
「人を連れて来たい場所」
- 市民活動のきっかけづくりをしたいという想いや、地域に学生を増やしたいという想いもありましたが、それよりも先に「毎日がとにかく楽しくて仕方がない!」という想いから、どんどん人をアクションポートに連れてきていました。サンタプロジェクトでは、学生チームのリーダーを任され、大学の友人をはじめ、自動車の免許合宿で知り合った人、就職活動の説明会で隣の席に座っていた人など、とにかく学生と知りあうたびにサンタプロジェクトを紹介していたような気がします。今まで、やることが最初から決まっているボランティアなど、お手伝いのボランティアしか知らなかった私にとって、自分が主役になって活動を作ることができることは魅力でした。自分がふと思ったことを実現していく、想いを形にするとは何なのかなんとなくわかってきました。
「スタッフとして活動すること」
サンタプロジェクトの告知、FM横浜出演スタッフとして活動することでまた違った視点から活動が見られたように思います。例えば、サンタプロジェクトも当日参加するととても華やかなイベントですが、その裏には多くの苦労やいろんな人たちの想いがあります。それはお金の面であったり、いろんな組織が1つのものを作っていく大変さであったり。でも、そういう話し合いはなくてはならないもので、イベント当日だけでなく、作っていく過程そのものも大切な活動なのだとわかりました。学生という立場で、裏方を見せてもらったことはすごく自分の価値観を広げることにつながりました。
「NPOに関わって変化したこと」
- 私は茨城の出身なので、アクションポートに関わる前に「横浜」は自分の地域ではなく、よその地域でした。それが、NPOを通じて横浜で活動に出会い、活動する人に出会うことで、横浜を自分の地域と感じ、誇りに思うようになりました。
- 私自身のことで変化したこととしては、アクションポートに関わり、「性格が変わったね。」と周りの人から言われるようになったこと。参加する前は、人を陰からサポートすることが一番私らしいと思っていました。でも、もっと他にもできることがあり、見ていない違う世界がある、と気付かされる機会となったのが、アクションポートでの活動でした。
- さまざまな年齢や立場の人との出会いや、人との関係性を築いていくことのおもしろみ。また、いろんな挑戦をすることのおもしろみ。何かを試してみることもできます。アクションポートではいろんな人が見守ってくださっているからこそ挑戦してみることもできます。助成金の申請のプレゼンに連れて行ってもらったこと、大学で、インターンシップの体験談を話したり、大学の授業で話をさせていただいたこと。出来ないと思っていたことをやってみることができる環境があり、「あ、意外とできた!」の積み重ねが、今につながっています。
- 4月からは、不動産に就職し、営業の仕事をします。それはアクションポートに関わっていなかったら、「できるかな?」とも思わなかったこと。そんな、気付きを得られる、自分を変化させられる場がここでした。
◆アクションポートで印象的だった瞬間BEST3
1 大雨の中での横浜サンタプロジェクト(2012年12月)
2 新潟でのスタッフ研修(2012年2月)
3 大量の封筒を抱えて、桜木町から横浜の郵便局まで運んだこと(2011年10月)